シェフブリッジのパートナーシェフは、店舗勤務の「現場スタッフ」ではありません。
料理改善の専門家として、旅館・ホテル・飲食店に訪問し、
味・再現性・調理工程・提供品質を整える役割 を担います。
ここでは、あるシェフの 1泊2日の仕事の流れ をご紹介します。
【1日目】
10:00 現場到着 → 経営者との打合せ
まず経営者または責任者の方と打合せを行います。
- 前回指導した内容の確認
- 最近のクチコミやお客様の反応
- スタッフの状況と技術レベル
- 今日の指導テーマ・改善ポイントの整理
この段階で「今日どこまで進めるか」を明確に決めます。
11:00 無人の調理場チェック(仕込み状況・動線・衛生・設備)
11時時点では調理場が無人である施設が多いため、
まずは “素の状態の調理場” をチェックします。
- 仕込み台の整理整頓
- 食材の保管方法と鮮度
- 出汁・タレ類の管理
- 冷蔵庫・冷凍庫の使われ方
- 動線の無駄
- 清掃レベル
- 道具・器具の配置
- 前日の片付け状態
無人の状態ほど、普段の調理場のクセが分かるため、
改善方針の大切な材料になります。
12:00 経営者との昼食(課題の深掘り)
昼食をとりながら、
- 調理場で見つけた課題
- 今日改善すべきポイント
- スタッフの育成状況
- 中長期的に変えるべき部分
をさらに共有し、方向性をそろえます。
13:00 食材チェック → 前回レシピの再現度確認
午後はまず 食材のチェック から。
- 鮮度
- カット精度
- 火入れの基準
- 適正量の管理
- 下処理の質
その後、
前回指導したレシピがどれだけ再現できているか を確認します。
- スタッフが教わった通りに作れているか
- 味がブレていないか
- 盛り付けの再現度
- 仕上がりのスピード
- 基本技術の習熟度
シェフブリッジでは
「教える → 調理実践 → 定着させる」
という流れを重視します。
14:00〜17:00 調理指導/現場改善/盛付け調整
午後のメイン工程です。
- 新メニューのレシピ指導
- 火入れ・塩分バランスの基準化
- 盛付けの改良
- コースやビュッフェのバランス調整
- スタッフ個別の技術指導
- 作業導線の見直し
- 作業が軽くなる下処理の工夫
「できることから少しずつ変える」
「現場が回りやすい形に整える」
この2点を徹底します。
17:00〜19:00 営業前後の最終チェック
- 提供スピード
- 温度管理
- 盛付けの安定度
- 忙しい時間帯の流れ
- 実際の仕上がり
スタッフの頑張りを認めながら、
次回に向けた課題を整理していきます。
19:00 振り返り・翌日の準備
- 今日の改善内容
- スタッフの良かった点
- 明日の再現性チェックで作ってもらう料理
- スタッフの負担を軽くするための準備
を共有し、初日の業務が終了します。
【2日目】
09:00 スタッフによる“再現調理”スタート
シェフの最大の特徴である 再現性チェック の時間です。
スタッフに実際に料理を作ってもらい、2時間かけてしっかり確認します。
- 火入れの基準が守れているか
- 調味のブレがないか
- 盛付けのポイントが再現されているか
- 作業のスピード
- 材料の扱い
- 仕込みの精度
- 複数人が作っても同じ味になるか
「昨日教えたことが翌日に再現できているか」
このチェックによって料理が現場に定着します。
11:00 最終指導・次回までの宿題共有
再現チェックの結果を踏まえ、
- うまくできている点
- 改善すべき技術
- 次回までにやっておくこと
- メニュー改善の方向性
をスタッフ・経営者へ共有します。
12:00 終了・帰宅へ
昼過ぎに現場を後にし、
次回訪問へ向けた準備を進めます。
まとめ
シェフブリッジの訪問(遠隔地)は、
1日目:指導と改善
2日目:再現性の定着確認
この“二段階”がセットです。
そのため、
ただ料理を教えるだけでなく、
現場に料理が根付く仕組みづくり が可能になります。
東京などの近隣への訪問の場合は、早朝から現場に入り、夜に終了するケースもあります。