料理長採用コストを、あらためて整理してみる
宿泊施設や飲食店にとって、料理は売上と評価を左右する重要な要素です。
だからこそ「良い料理長を採用できれば何とかなる」と考えがちですが、
実際にはその判断が経営リスクになっているケースを多く見てきました。
今回は、料理長採用にかかるコストを
できるだけ現実的な数字で整理してみます。
料理長を1人採用するまでにかかる初期コスト
まず、多くの施設が利用するのが人材紹介会社です。
仮に
・月給40万円前後
・年収換算で500万円程度
このクラスの料理長を紹介会社経由で採用するとします。

一般的な紹介料は年収の30〜40%。
つまり 150万円〜200万円前後 が、採用時点で確定費用として発生します。
この時点で、すでに厨房改善や集客に使えるはずだった資金が消えています。
求人広告費も、決して小さくない
「紹介会社は高いから求人広告で集める」という選択もありますが、
こちらも現実は厳しいのが実情です。
・本気で集めるなら月10〜20万円
・地方や観光地では掲載期間3〜6ヶ月が一般的

結果として、
求人広告費だけで100万円前後 かかるケースも珍しくありません。
しかも、
「広告を出せば必ず良い人が来る」わけではないのが料理人採用です。
採用後に待っている“早期退職リスク”
さらに問題なのが、採用後です。

多くの紹介会社では
「入社3ヶ月以内なら一部返金」
といった規定がありますが、4ヶ月を超えると返金はありません。
つまり、
・数ヶ月で辞められる
・紹介料は戻らない
・給与は支払い済み
という状況が普通に起こります。
結果として、
数百万円単位の損失 が一気に確定します。
見えにくいが重い「時間コスト」
数字以上に重いのが、時間のロスです。
料理長が入っても、すぐに結果は出ません。

・現場を把握する
・仕入れ業者との関係構築
・既存スタッフとの調整
これらに1〜2ヶ月はかかります。
実際に新しい料理や改善が動き出すのは
3ヶ月目以降 というケースがほとんどです。
その間、経営は“待ち”の状態になります。
実際に起きた最悪のケース
過去には、こんな事例もありました。
・紹介会社経由で料理長を採用
・料理長が自分の弟子を数名連れて入社
・半年後、繁忙期直前に全員が同時退職
調理場は機能停止。
冷凍庫には使い切れない食材が残り、最終的な実質損失は 約1,450万円 に達しました。
決して珍しい話ではありません。
「人を採る」こと自体が悪いわけではない
誤解してほしくないのは、
料理長を雇うこと自体を否定しているわけではない、という点です。
問題は
その人がいなくなった瞬間に、調理場が止まる体制 にあります。
人に依存しすぎた調理場は、
安定経営とは真逆の方向に進みやすくなります。
シェフブリッジという選択肢
シェフブリッジは
「料理長を雇わない」という選択肢を提供しています。
・外部シェフによるメニュー開発
・現場スタッフへの調理指導
・レシピ化による技術の平準化
これにより、
特定の個人に依存しない調理場組織を作っていきます。
初月から改善が動き、継続するほど現場の自走力が高まる仕組みです。
料理長採用に悩んでいる経営者の方へ
料理長を探す前に、
一度「本当にいくらかかっているのか」を数字で整理してみてください。
その上で、
人に頼る以外の選択肢があることを知っていただけたらと思います。
料理のクオリティと経営の安定は、
必ずしもイコールで「人を増やすこと」ではありません。