課題
ある温泉地にある中規模観光ホテルです。課題としては、宿の魅力が足りず他館が行えない「部屋食で1泊2食8,800円!」という激安販売が主力商品で、利益が出ずらい環境となっていました。同時に部屋食と共にバイキングスタイルの夕朝食もあり、どちらもとても美味しいとはいえる料理ではありませんでした。
既製品が並ぶ会席料理:
先付、蒸し物、お造り、洋皿、鍋物、デザートと一般的な会席料理の構成を成していましたが、ほとんど既製品を解凍して並べているだけで、味も当然悪く、リピーター以外の新規のお客様から美味しいという評判は聞かれませんでした。
刺身以外ほぼ全品既製品のバイキング:
自然豊かな環境にある宿泊施設ですが、地産地消にこだわることなく、既製品を業者から仕入れて、解凍し、皿に並べるだけのバイキング。当然評判は悪くお客様からのクチコミは、「ネットで見たバイキングの料理と、あまりにもかけはなれすぎていてガッカリだった。」「夕食時天ぷら係の方がとても感じが悪く残念でした。」「夕食朝食は不満です。旅慣れない方には、これで十分なのでしょうが…私達には残念に思いました。」という状況でした。
低い料理評価(クチコミ評価 朝食4.07 夕食4.12):
上記のような会席料理とバイキングを提供していたので、当然料理評価は低迷していました。しかし、何か策を打とうにも打てない環境がありました。
調理場=誰も立ち入れできない聖域
長年勤めている調理長が献立、人員、仕入れなどを管理しており完全に聖域となっていて、現場のスタッフや経営陣も意見を言える環境ではありませんでした。
改装できない客室、館内施設
長年の経営不調で客室や風呂、他館内施設を改装する予算がなくお客様の評価も低くこんなクチコミが並びました。「板の間の床がギシギシ音がするので夜間目が覚める」「建物がもう少し新しければ良かった。」「トイレの臭いは酷いし、部屋の外の人の声もうるさかった」。しかし、客室や館内施設に投資できずに、「なんと部屋食8,800円ビックリプラン!」や「特別高級料理が付いて1万円ポッキリ!プラン」を販売する負のサイクルが経営に蔓延していました。
施策
プロのシェフを招聘し、シェフが料理全般にアドバイスをする新体制に変更。まず会席料理をゼロから見直し、全品手作り料理を目指し毎月数品ずつ変更。バイキングも味の悪い既製品料理から一品一品見直し。全品レシピ管理を行い、調理方法の変更の場合は、随時シェフに確認する体制へ。料理改革をお客様にも公表し、SNSを通じてお客様と共有化。地元の新鮮な食材を活用した季節感あふれるメニューを開発。月1~2回(2泊3日)でシェフが来館し、味の確認、新メニューの調理指導、新食材の試食、顧客からの反応確認等を行う。
料理の基本に立ち返る
これまでは既製品のスープや調味出汁を利用していたが、料理の根本に戻り毎日一番出汁と二番出汁を取り香り高い調理場に。
地産地消にこだわる
それまでまったく活用していなかった地場の豊富な海鮮や野菜を仕入れから見直し、鮮度の高いものを取り入れメニューを開発。
美味しくない料理は絶対に提供しない
既製品を使用せず、食材から吟味し、お客様に感動してもらえる料理提供を目指し、全品手作り料理に挑む。
結果
これらの取り組みによりじゃらんネットや楽天トラベル等のクチコミが飛躍的に改善(朝食4.07 夕食4.12)→(朝食4.51 夕食4.63)。客単価も12,000円から21,000円と大幅に向上。調理場を含む社内全体の離職率は大幅に改善。
そして現在
中規模サイズの旅館にも関わらず、県内有数の売上を誇る宿として君臨。現在、全国日本一の美味しい宿を目指して改良を進める。
クライアント様の声:
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